下流老人・年金など
2015.11.12
下流老人
下流老人とは、NPO法人「ほっとプラス」代表理事の藤田孝典氏が著書「下流老人」のなかで「生活保護基準相当で暮らす高齢者及びその恐れがある高齢者」と定義したもの。

ちなみに、内閣府の調査によると、生活保護費より低い水準の年金で暮らしている人は65歳以上人口の22%ほどを占めているのだそうだ。
つまり5人に1人以上は「下流老人」ということになるらしい。
メディアなどでは「老人世代は金持ちだ」とか「豊かな老人世代」という風に取り上げられることが多く、まさかこんなにも多くの老人世帯が貧困状態でいるのだとは、全く認識が無かった。

しかしだからと言って、私だけではなかったのだと安心するものでもないし、自分が下流老人だったんだと驚くわけでもない。
自慢では無いが、私は下流青年、下流成人、間もなく下流老人と、下流畑の王道を歩き続けて来た。
従って、下流の年季の入り方が違うのだ。

ちなみに、セーフティネットとしての社会保障制度や福祉制度の多くは「申請主義」である。
申請しなければ、知らなければ利用することが出来ない、正に「知らなきゃ損」なのである。
困ったときには役所に出向いて相談する発想を持っておくことが必要だと、自らへの戒めとして考える。

生活保護
試みに、ざっくりと私の住む地域の生活保護費を調べてみた。
私の住む地域は3級地-1というらしく高齢者単身で66,260円、高齢者夫婦世帯で99,990円。
さらに住宅扶助が単身で37,200円、夫婦世帯だと45,000円となり、両方を併せると単身世帯で103,460円となり、夫婦世帯だと144,990円となる様だ。

これはなかなかの金額で、これから見ると国民年金の満額程度、すなわち生活保護費を大きく下回る年金額で暮らす私は、紛れも無く「下流老人」のさらに下、「下下流老人」の域かも知れないと思う。
そうか、私は「下下流老人」なんだ。
これはありがたくいただいて、今日から私は「下下老人(かかろっと)」と称しようと思う。

公的年金
厚生労働省の「年金加入者等の所得に関する実態調査」によると、年金受給者の72%は就労しておらず、その非就労者の年収は50万円以下が20.1%、50万円超100万円以下が28.5%で、合わせると100万円以下が合わせて48.6%に上るのだそうだ。
ちなみに100万円超150万円以下が14.5%、150万円超200万円以下が8%、200万円超250万円以下が8.5%、300万円超350万円以下が5.7%、350万円以上が6.7%となっており、私の含まれる50万円超100万円以下が最も多いということらしい。
もちろん収入には家賃や配当と言った年金以外の不労収入のある人も多々あると思われ、高収入者はそうした人たちと思われるが、低収入の人たちは年金のみの収入になっているものと思われる。

また、厚生労働省の11年の調べでは65歳以上の高齢者で生活保護を受けるものが64万世帯あって、このうちで年金を受給する高齢者は37万世帯に上るのだそうだ。
すなわち、年収が150万円以下の人が63.1%に上り、年金だけでは生活が出来ず、生活保護を受けている人が多いということの様だ。

ちなみに年金は20歳から60歳までの40年(480か月)間に渡って収めることを基本としており、そのうちの25年(300か月)間以上の保険料の支払いを必須要件とするため、300か月分に1か月分だけでも支払に不足があると、受給資格を失って1円も受給することは出来ない。

ただし、その期間内に合算対象期間(カラ期間とも呼ばれる)がある場合にはそれを含めて300か月に達すれば受給が可能となるため、若干の不測のある時には諦めずに調べてみると良いだろう。
また、60歳を超えても任意加入として65歳(受給資格期間を満たせていない場合は70歳)まで加入が可能であり、これを含めて300か月に達っすることで65歳からの基礎年金の受給は可能になる。
さらに、過去2年間に遡っての納付も可能であるため、これによって300か月に達する場合には有効である。
ちなみに480か月間に渡って納付した満額の年金受給年額は、平成27年度で78万100円、月額6万5千8円となっている。


事件
今年6月30日に起きた、71歳の老人による新幹線車内での自殺事件。
6月から年金だけの生活になり、生活が苦しいことや年金受給額の少なさに不満を漏らして焼身。
その老人の年金受給額は、月額12万円だったそうだ。
月額12万円は年収144万円となり、年金受給額は真ん中よりはやや上位だと言うことになるだろう。

それより5万円以上も少ない国民年金で暮らす私は、やはり下下流老人で間違いだろうと確信。
もちろん、だからと言って自殺したりはしないし、不満にも思わない。
特に楽天的な性格では無いのだが、極貧や孤独を楽しむ知恵があるし遊び心を持ち合わせているのが、救いだろうなと思う。

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