老人の証明 経験
2016.02.23
久久の自力排尿が可能なことを早く確認したいと思い、帰ってすぐにお茶を飲んで排尿を促してみる。

先ほど尿意があったのでトイレへ行こうと立ち上がったところ、切迫性のある強い尿意に変わってトイレまで持ちこたえることが出来なかった。
多分、尿が出はじめるまでには3秒足らずの時間しか猶予が無かったものと思われる。
全てが出切ったわけでは無いが、パンツを濡らすに十分な量が漏れてしまい、いわゆる失禁と呼ばれる状態を初めて体験した。
そこで止むを得ず、最も安かった紙パンツを入手して履くことにした。
今回のこの疾患は、「老い」と言うキーワードでの初めての経験をいろいろとさせてくれる。

紙パンツ姿は自分ではそこそこ気に入っているのだが、間違いなく人様に見せられるものでは無いなとも思う。

さらに水分を補給してからほぼ2時間後の午前11時少し前、軽く尿意を催したために立ち上がったのだが、やはり放尿のコントロールをすることが全く出来ず、3秒足らずで尿が出始めててしまう。
時間を決めてトイレに行くよりしようが無い様だ。
ついうっかり時間を忘れる可能性が高いため、しばらくは紙パンツのお世話になりそうだ。

後年、あの時は良い経験をしたなと思うのも悪くは無いだろうし、そう有ってもらいたいものだ。

画像を3点、まとめてここに記録しておく。

左から尿バッグ、BID上見、BID正面(セーターを下すと装着したのが見えない)
 
老人の証明 解放
2016.02.23
本日午前8時40分頃、Yクリニックにて待ちに待った膀胱バルーンの取り外しが行われた。

起きてみたら驚くほどの尿がバッグの中に溜まっており、その量は概ね1,600ml。
尿バッグの尿を捨ててから尿バッグを外し、再びDIBキャップに付け替える。

午前8時25分頃にクリニックに着くと、駐車場にはすでに数台の車が停まっており、玄関前に並ぶ人の姿も見える。
8時30分に玄関が開いてクリニックに入ってゆく人達に続いて私も入り、待合室に座ると程なく呼ばれて診察開始。
熱や体調、薬の残量等を確認した後に隣の処置室へ移動。

看護師の「では抜きますので、ちょっと気持ち悪いですよ」の声に挿入の際の感触が蘇って思わず身構えたが、あっという間の一瞬の悪寒程度で済んでほっとしたのだが、軽く声は出たと思う。
「しばらくは滲みるかもかもしれませんが、午後5時半まではクリニックが開いていますので何かありましたら来院してください」とのことで、なるべくその間は水分を多く摂って排尿を確実にしておき、今夜の安らかな睡眠を確保したいと思う。
膀胱バルーンはもう絶対に嫌だ。

「明日も今日と同じ時間に来院して下さい」とのことで、診療代金を支払って帰る。
ちなみにDIBキャップは、無言でさりげなく没収されてしまった。
使い道あったな、あの強力なリング状のマグネット。

診料費の支払いは380円。
累計で17,940円となった。

この先、私が大病をして大金の医療を払うことになったとき、下流老人の私に3割の自己負担で払える金額はたかが知れている。
従って、これまで払ってきた健康保険料の元を取り返すことは絶対に出来はしないなと思う。
どうしたって、完全に健康保険料の支払い負けということだと諦念する。
 
老人の証明 変更
2016.02.22
夜間のDIBキャップの使用に耐えられず、またこれも経験だと思い切って尿バックに切り替えてみた。

尿バッグはDIBキャップに切り替えた際にYクリニックで処分しますと言うのを、万が一のため念のためと言って貰ってきていたのだが、正しい判断であったと思う。
やることはいたってシンプルで、DIBキャップを引き抜いて尿バッグの管に繋ぎ替えるだけのこと。
ただ悩んだのは、尿バッグの管の中には空気が入っており、これが膀胱の中に入ったら溜められる尿の体積が小さくなったりしないのかと言うこと。
尿バッグを貰ってくる際に聞いておけば良かったと悔やんだところで、もう後の祭り。

え~いままよと、繋ぎ替える。

繋ぎ替えてしばらくの間は濃い茶褐色の、いかにもバッチリと濃縮していますという感じの尿であった。
もしかしたら水分を制限することによって濃度を増した尿は、バルーンによって擦れて傷付いた膀胱に刺激を与えるなどして強い尿意の引き金になるのかも知れないななどと、素人ながらに思ったりもする。
これで今夜の安眠は確保された訳だから、ここから不足している水分を補給することにして、お茶、スポーツドリンク、白湯を代わる代わる2杯づつ飲んでしばらく様子を見る。

尿の色が明らかに変わって来たのが分かる。
随分と色が抜けて、かなり薄くなっているのがはっきりと見て取れる。
さらに出方も順調な様で、僅かづつではあるが徐徐にバッグ内の量が増えているのが分かる。

結論として思うのは、DIBキャップは行動の制限が全く無くなることだけが唯一のメリットであり、身体のことを考慮すれば、睡眠時間のこと、水分摂取に制限が無くなること等の理由で、尿バッグに軍配を上げたい。
 
老人の証明 冬虫夏草
2016.02.21
午前3時半頃に38.7℃まで発熱して頓服を飲むも、5時頃に再び大汗をかいてシャツを着替える。

前夜はさほど熱も上昇せず、頓服(38.5℃で服用)を服用する必要も無かったのだが、何故か昨夜は熱が上昇した。

午前3時半頃に尿意で目が覚めた時、汗ぐっしょりかいていたために体温測定すると久々の38.7℃。
排尿してからシャツを着替え、用意してあった頓服を服用して再就寝したにもかかわらず、 午前5時頃の尿意で目が覚めた時には再び汗でぐっしょりだったが、先に頓服を服用しているのでその内に下がるだろうと考え、排尿してからシャツを着替えただけで、体温測定もせずに再び就寝する。
その次に目覚めた時に測った体温はすでに平熱であった。

それにしてもこのDIBキャップ、本当に夜間は辛い。
日中はDIBキャップ、夜間は尿バッグに切り替えられる仕様になっていれば良いのにと心底思う。
そして、何と言っても笑ってしまうのは、このDIBキャップを装着した状態で風呂に入ったときだ。
尿道口から20数cmほども水中で上に延びる姿は、色と良い形状と良い、まるで冬虫夏草の様だ。
写真にしてお見せ出来ないのが何とも残念だが、滅多に見られないその滑稽さは気に入っている。

待ち遠しいのは明日、23日の火曜日。
多少、出が悪くとも排尿が出来れば膀胱バルーンと縁が切れる。
膿の排出を促進し、さらに薬効がアップして前立腺炎とも縁が切れる日が早まるのだ。
 
老人の証明 DIB
2016.02.19
昨日、A中央病院の泌尿器科で預かった書類を持って、前回と同じ時間にYクリニックを受診する。

今日は予約日では無いがと、事情と流れを話して受け付けてもらう。
前回よりはやや大目の5人ほどがいたが、待つこと10数分ほどで尿バッグをぶら下げて診察室へ。
先日の血液検査の結果を見ながら、肝機能や腎臓の機能には全く異常は見られませんとのこと。
さらにA中央病院の検査結果と見比べ、8時間ほどで白血球数が大きく増えており、またCRP(炎症反応を表す数値らしい)が2.3倍以上になっており、これで前立腺炎でほぼ間違いないでしょうとのこと。
めちゃくちゃ辛い状況ではあるんだけど、まあ、けっこう安心したりもする。

そこで、今朝、管の中に次々と流れるピンクの長さ2~3cmのもやっとした塊のことなどを聞いてみた。
(1.5m程の管の端から端まで、そのピンクの塊が5cm程のほぼ等間隔でまるで地図記号のJRの線路の様に連なって流れて行く様は、何だかとても面白かったもので、つい何なのだろうと思ってだ)
この留置管の先には抜け防止のためにバルーンが付いているのだそうで、ピンクの塊はそのバルーンと膀胱がすれているために出来るものらしい。
図示してくれたので、そうか、これが噂に聞いた膀胱のバルーンと言うやつかと思い、これまで全く知らなかったことが分かるのはどんなことでも嬉しいと思いつつ納得する。
描いてくれた図は、目(穴)が二つあって、まるでムーミンに出てくるニョロニョロの様だったね。

また、尿道口から絞り出る様な膿について聞くと、それは前立腺から排出される膿だと言い、留置管については出来る限り設置をしない方が良いのだという。
設置しない方が前立腺からの膿の排出が促進されるし、投薬の効果も大きいのだそうなのだが、もちろんそれは相対的なことであり、排尿が全く出来ないのを放置すれば、膿が出切る前に、投薬の効果が現れる前に私は膀胱破裂で死んでしまう。

違和感についても聞いてみると、違和感の軽減と動作を優先させるのであれば、保険適用外だけどキャップを使用する方法がありますと言う。
保険適用外?いくらするの?でも、たかがキャップだよね、などと思いを巡らせつつ、え~い、物は試しと了解して交換してみた、いやもらった。

このキャップに付け替えると確かに糸の切れたマリオネットの様なもので、尿バックから切り離される訳だから動作に制約は無くなるものの、では全てが良いのかと言うと、残念ながらそうでは無くてやはりデメリットがある様だ。
当然のことながら、これは試した者にしか分からないことだ。
ちなみにこのキャップは、DIBキャップ(尿路用バルーンカテーテルのキャップ)と言うらしい。

メリットは日常動作に制約が無くなり、普段と全く変わらない生活が出来ている様に人には見えること。
デメリットは①排尿欲求の来る感覚が異様に短くなる(私の場合は約2時間ほどである)ため、夜間は寝た気がしないこと。②尿意を感じてから立つと強い切迫性の尿意となってしまうため、尿意と関係なく排尿する必要があること。特に夜間の睡眠時は100%予防が出来ない。③間隔が短くなるため、尿量は少なく回数が多くなって煩わしく感じること。④排尿の終了時にウォーターハンマー(水撃現象)の様に腰にズンと衝撃を感じるが、これがとても強い嫌悪感を生ずること。
水撃現象の発生は、尿が通常の様に徐々に減るのでは無くていきなりピタッと止まるためと思われる。

正直言うと、この④が最も嫌だと思う。次いで②、①、③の順かな。

医師から、抗生剤を飲み始めて6日後となる23日火曜日の朝に留置管(膀胱バルーン)を外してみましょうとの提案があり、了解。
ただし、「上手く尿が出ない様であるなら再設置となります」との、条件付でのことではあるのだが。


今朝は朝食を少し食べたが、しばらく経って猛烈な下痢をした。
昼食、夕食ともおかゆを主に食べた。
まだあまり食欲はもどってはいないにも関わらず、腹が鳴って腸は活発に動いているのが面白い。

ちなみに本日の診料費は380円と保険適用外のキャップ1,080円(税込み)で、計1,460円也。
累計で17,560円となった。
 

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