検査入院記Ⅲ
2016.06.02
と言うわけで、大病院の小さな対応の大きな違いに小さく腹をたてながらも安堵の眠りについた。

ところが爆睡中の午前1時頃、突然、夜勤の女性看護師に揺り起こされた。
「尿意はありますか?尿は出ましたか?」と問うので、「いえ、まだ尿は出ていませんし尿意もありません」と答えた。
すると「分かりました」と言って戻っていった。

またもや爆睡中の3時頃、再び同じ女性看護師に起こされた。
「尿意はありますか?」と問うので「ありません」と答えると、「尿の量を確認させてください」と言って器具を取り出した。
チェック終了後、「トイレで出してみてもらって良いですか」と言うのでトイレで排尿してみた。

消灯直前に尿瓶ほぼ丸丸一本分を導尿管によって排尿しており、その後すぐに消灯・就寝しているのでそれほど溜まっている訳もなく、案の定ちょろちょろとだけ出た。
伝えようと思って外へ出るとそこに居なかったので、ナースステーションまで行って尿が出た旨を報告した。
すると、「じゃ、本日退院できます」とのこと。
そこそこの距離を歩いたこともあって、それで完全に目が覚めてしまった。

しばらく経って眠気を感じ始めたとき、なんと言うことでしょう?
前夜同様、コメディアン・俳優と同姓同名の伊藤某がまたもや行動を開始。
薬効が切れるのか、眠剤をもらって飲んでいるはずなのにこの時間になると活動を開始する。
相変わらず、何のためかは知らないがジャー・ドン、ジャー・ドンをひたすら繰り返す。
この伊東某、携帯をマナーモードにせずしかもベッドで話すので、聞きたくも無いプライベートな情報が耳に飛び込んで来て辟易する。
本日午後は検査では無く、手術と言うことなので不穏になっているのかも知れないが・・・

そして、例によって隣のベッドからの鼾も聞こえ始める。

家に帰ってから熟睡することにして、あれこれ考えをめぐらしているうちに眠ってしまった。

目が覚めてバイタルチェック。
血圧計が上手く測定できないらしく、「熱が無ければ退院OKですから」と言って隣のベッドへ。
隣でも測定できず、こちらはまだ3~4日入院予定なので器具を交換して測定し直していた。


診療費35,022円(領収書が2枚出てきたが、5月分と6月分に分かれていると思われる)
薬代0円

どうやら、市民は大部屋である限りは入院のベッド代が請求されないらしい。
一日当たり何円になるのかは分からないが、市外の人は3日分でどれだけ取られるのだろうか?
ちなみに、伊東某と隣のベッドの40代は市外の人らしく、共に検査ではなく手術なので入院は一週間程度らしいが・・・
ま、いっか、迷惑をかけられたのだから、同情してやらない。

と言う経緯を経て、退院。
大部屋であるが故に、知らなかった多くの杜撰さが垣間見えて面白いと思う体験の出来た入院だった。

とりあえず任務完了、めでたし。
 
検査入院記Ⅱ
2016.06.01
と言うわけで、入院2日目は朝5時30分に起床するも、完全に寝不足状態である。

夜中、時間は確認しなかったが室温が高くて空気が乾燥し、鼻の奥が痛くて目が覚める。
起きてエアコンのコントローラーのところへ行って温度を1.5℃下げてみた(25→23.5℃)。
しばらく様子を見ていたが、問題は生じ無さそうなのでそのままベッドへ戻り眠りにつく。

3時30分ごろ、異音に気が付き目が覚める。
誰かが私のベッドの隣にある洗面所で照明を点灯して水悪戯をしている様な様子なのだ。
ここのカランは自動水栓で、手をかざしている間は水が出、手を避けると水が止まる。
ただ残念なことに、もれなくハンマーノック現象が付いている様で、ジャーの後に必ずドンが来る。

手を洗うのであれば洗っている間は水が出続けるはずなのだが、1~2秒ジャーっと水が出るとドンのセットを何度も繰り返している。
カーテンを通して光が入ってきてまぶしいし、ひたすらジャー・ドンを繰り返している。
完全に誰かの悪戯だと思ったのは、何度もジゃー・ドンを繰り返す理由が分からないからだ。
目が覚めてからも30回近く繰り返してから、やっと紙を引き出す音が数回続き、それをくしゃくしゃ丸める音がする。
やっと終わったなと思って聞いていると、ペタペタ足音がして、どこのベッドへ行ったかが分かった。

てんぷくトリオから現在は俳優である伊東某と同姓同名の男だ。
ベッドへ戻ってからもがさがさごそごそ、がちゃがちゃぐちゃぐちゃ、ジージーといろいろな音を立てている。
何なんだこの男はと思っていたら、今度は隣のベッドの40代だという男の鼾が病室内に響き渡る。

異音・騒音や鼾は、気にしだすと気になって仕方がない。
鼻の奥は痛いし、鼾や物音はうるさいし、そのうち枕の高さと硬さが気になりだした。
しばらく眠ることを諦めることにして騒音を聞いていたので、結果寝不足になったと言う訳だ。


朝6時を過ぎて、看護師がバイタルを取りに来たが、血圧・体温とも正常値だとのこと。
隣からはまだ鼾が聞こえていて、それはバイタルチェックで起こされて止まった、やれやれ。

本日の担当だという男性看護師が来て、再びバイタルをチェック。
夕食の予定が入っていると言う。
「?、昨日は衛生上の理由で提供できないと言われましたが?」というと「まだストップできます」と言う。
「いや、そう言うことでは無いだろう、昨日の話は何だったんだ」と思うが、まあ、良い。

10時頃、先ずは浣腸を行う。
向かいのベッドの男性には5~10分ほど我慢するようにと女性看護師が説明していた。
隣のベッドの男性に対しては、浣腸液が回るのに3分ほどかかるので3分~5分、最低3分は我慢して下さいと女性看護師は言っていた。
それに対して私の担当の男性看護師は、ただ2~3分我慢してくださいと言っていた。
一体、どれが正しいのだ?と思いつつ、一番説得力のあった最低3分~5分を実践してみた。

次いで、水分の摂取を禁止して点滴を開始するので点滴の針を刺しますとのこと。
担当の男性看護師は何も聞かずに左腕に針をさしたが、液が入らないのでもう一度やり直しますと言う。
そうだろうな~と思う。
これまで、この前立腺関連で何度か経験した点滴は、看護師は左右を比べてから必ず右側で入れていたのだ。
この男性看護師はかなり腕に自信があるのかチャレンジャーだなと思ったが、単に確認が足りないだけの様だ。

私の向かい側の私より年配の男性が、午前中の最後の同じ検査を受けるらしく、3時間ほど前に女性看護師がいろいろと説明していたのが聞こえていたので理解はしているが、この男性看護師の説明だけでは分からない部分もある。
説明が不足するのは、現代に要求される看護師としては不適ではないのかと思ったりする。
いえ、決して点滴の針を2度刺されたことを恨みに思っているわけではありません、暇なもので。

13時30分、点滴と共に2階分下階の手術室へ徒歩で移動。
下肢脊髄麻酔。
こんなにすぐと思うほど麻酔から間をおかず検査開始。
痛みは感じないが、圧迫される感じはあって針を刺す瞬間には不快感がある。
これを10回(医師がカウントしながらやっていたので)繰り返して、最後にバイタルを読み上げて検査は終了。
検査自体は至極簡単で、手術室の看護師の話では検査自体は正味3分で終了しましたとのこと。

間もなく迎えにやってきたベッドに移乗してもらい、そのまま病室へ移動し所定の位置で固定。

その後は、頭を動かすことも出来ず、何もすることが出来ないので暇を持て余す。
昨夜の睡眠不足をここで取り戻そうとするも、さっぱり眠くならない。
3時間のなんと長いことか・・・

17時、水分摂取解禁となる。

20時、病室に戻ってから6時間が経過するも、看護師が尿の確認や導尿、点滴を外しに来る気配が全くない。
少し待ったが、全く来る気配が無いのでナースコールをしてみた。
やってきた夜勤の男性看護師は、下腹部に手を当て「あまり溜まってはいない様だ」と言う。
「いや、そんなはずは無いでしょ。点滴500mlを2本入れて、3時から500ml以上を飲んでいますから」と言うと、「じゃ、導尿してみましょう」と言う。

尿瓶と管を持ってきて導尿を開始すると「あ、勢いよく出ますね、5分ほどこのままで様子を見てください」と言って、行ってしまった。
5分ほどしてから首を持ち上げて見てみると、尿瓶の首まで一杯に尿が溜まっているではないか。
慌てたものの、5分も経てば全部が出切っているだろうと思い直し、看護師の来るのを待った。

待ったが、一向にやってくる気配が無い。
まだ点滴を外しておらず、下半身は四角の紙おむつとそれを止めるT字帯のみで、パンツではないので下半身は露出したままなので、だんだん寒くなって来た。
さすがに我慢できなくなって、隣にナースコールで来ていた女性看護師に「終わったら、こちらもお願いします」と声をかけた。

「どうしました」と入って来たので、「導尿をお願いしたのですが、そのまま30分もほったらかしで、尿瓶は溢れそうだし寒いので処理をお願いします」とお願いした。
「あら、そうでしたか」と言いつつ持ち上げた尿瓶はやはりほぼ満杯(1L)で、「何が溜まっていないだ」っと心の中で毒づいてみる。

7時間も経ってからやっと点滴も外してもらい、トイレに行って排尿を試みたが、当然ながら排尿は出来なかった。

やれやれ、やっと管類から切り離されて解放されたので、食事をしようと思ったところ電気が消えた。
・・・
何と、食事をとる前に消灯されてしまったので、廊下の常夜灯からの薄明りで怒りをこらえつつ夕食。
何たる侘びしい夕食だろう。

しかし、中核病院だからといって看護師の質に斑があるのは勘弁してもらいたいと思いつつ就寝。
 
検査入院記Ⅰ
2016.05.31
本日午後、多くの人でごった返す入退院センターにて入院の手続きを行い、入院。
6階西棟の南突き当りの部屋で、入ってすぐ左側で洗面台の隣のベッドだそうだ。

ちなみに、同室の4人全員が本日の入院らしい。
間も無く看護師がやってきて氏名と生年月日の確認をし、入院の完了となった。

虫垂炎の手術の経験もなく、検査入院とは言え、生まれて初めての入院。
何とてすることも無く、暇を持て余すので新たなウェブサイトの構想を練る。
クラインガルテンとKとぴあのサイトの構想だ。


考え始めて間もなく、再び看護師が来て今後の流れを説明する。
私の検査は、明日の午後13時30分の予定に決まったとのことで、食事は今夜9時以降は不可。
水は明朝10時以降は不可で、それまでは自由とのこと。
次いで、事前に渡された「前立腺の検査を受けられる○○様へ」という書類にマークを入れてナースステーションへ持って行って提出。

ちなみに、明日の夕食の提供は午後6時だけど起き上がれるのは午後8時以降なので、衛生上の理由から提供できないので、自分で用意してくださいとのこと。

次に担当医が来て「手術・検査・処置説明書」を渡され、簡単に説明をして質問はあるかと聞かれたので「ありません」と答えて、これも終了。

この「手術・検査・処置説明書」を読んでいて驚いた。
「施術後、導尿管(バルーン)を留置して終了」と書いてあるではないか。
つくづくバルーンは嫌だと思うし、事前の説明書には留置することもあるとは書いてあったのだが・・・
ま、仕方がないね。まな板の鯉だ、好きにやってくれ。

新サイトの要点を思うままに羅列する。

18時、夕食。
21時、消灯。


以下に「手術・検査・処置説明書」を記録しておく。

病名:前立腺癌疑い
予定術式・検査・処置:前立腺生検

1.現在の症状:前立腺癌に特有の症状は特に見られませんが、PSA検査が正常より高く
  なっています。
2.手術・検査・処置の必要性:前立腺マーカー(PSA)から前立腺の癌が疑われます。
  マーカーだけでは癌があるかどうか分からないので生検を行います。
3.他の検査では確定診断は出来ません。
4.実施予定の(治療)行為とその内容:下半身麻酔を施行しエコーで見ながら会陰(陰嚢と
  校門肛門の間)から針で生検を行います。
  全体的に10箇所ほど組織を採取してきます(これよりも多く取る場合があります)。
  その後お小水の管を留置して終了です。
  ※医師の説明では正味は5分ほどで、全体で20~30分の検査になるとのこと。
5.手術・検査・処置後の経過予想と予想される合併症:問題なければ翌日にお小水の管を
  抜去して退院となります。
  血尿、排尿困難などがありえます。
  麻酔の影響で血圧低下、頭痛、神経麻痺(1万分の1程度)などがあります。
6.合併症発症後の対策:血尿は程度によりますが様子を見て行きます。
  排尿困難で尿が出ないときは、導尿します。
  血圧低下は昇圧剤などで、頭痛は対処療法で対処。
  神経麻痺は経過観察で様子をみます。
7.麻酔の方法と内容:下半身麻酔(脊椎麻酔)。背骨の間からくも膜下腔に麻酔の薬を注入
  し、神経を麻痺させます。
  腰椎麻酔が出来ない場合は局所麻酔で行う場合もございます。
8.輸血の可能性:ありません。
  ※輸血の可能性のある人には宗教も聞くんだね。(お隣さんには聞いていた)
9.手術・検査・処置の危険性:麻酔による循環への影響など
10.偶発症発生時の対策:適宜対応します。
11.その他の注意点:外来で定期的にPSAをチェックしていき場合によっては再び今回の
   検査をお勧めさせていただくこともございます。
 

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